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巡回路
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シャドウランの体験版である。
さほど注目していなかったタイトルであるが、時々こういうこともあるのでゲームというのは侮れぬ。 世間がショパンショパンと言っておる中、こうしたものを紹介するのは捻くれ者の謗りを免れないわけであるが、余としては、もう普通のRPGとかやってらんねえよ、というスタンスでやっていきたい。 シャドウランと聞くと、余などはスーファミのクォータービューなあれを思い出したりするわけであるが、もともとはTRPGである。 そういえば、TRPGのコンピュータゲーム化というのは、成功したという話をあんまり聞かない。 MMOの先駆けであったEverQuestが、D&Dの影響を強く受けていたことは有名であるが、実際にD&Dが出てみると、それほどでもなかった。 ウィザードリィなどはヒットしたと言ってよいかもしれぬが、あれは順番が逆(PCゲーム→TRPG)であるし、ソードワールドPCやらソードワールドSFCも、そんなに売れたような話は聞かぬ。 そんな不安な雰囲気を漂わせていたシャドウランであるが、開発者の「あぁ? 元のルール? 知るかボケ。世界観だけちょっとカッコよかったんで借りたんだよ」という真に男らしい姿勢により、紛うことなきFPSとなったので、全く心配無用であった。 システムも、実にハッチャケ気味であり、FPSでありながら、蘇生魔法やら空間転移魔法やらが飛び交うという悪夢のような有様だ。 例えば、余がFPSをやりはじめたのは割と最近のことであるが、FPSをやっておると、別ジャンルのグラフィックが3Dのゲームをやった場合、「どうしてこいつ(主人公)はマシンガンを装備していないのか?」「この馬鹿(主にボスキャラ)はスナイパーライフルさえあれば喋り出す前に30回は殺せる」というようなことを考えてしまう。 FF11などであれば、敵にバインドを入れて足止めした際に、「ミニミでもあれば、蜂の巣なのになぁ」と意味もなくLボタンを操作してみたりとかである。 しかし、シャドウランなら可能である。 ストラングルというマジックは、水晶的な何かを突然地面から生やして敵味方区別なく足止めするというステキマジックであるが、そうして足を止めたらしめたものであり、ここぞとばかりに手榴弾で吹っ飛ばすなり、力一杯鉛弾をブチ込んだり好き放題である。 他にも、手榴弾を投げた後に、ガストという風を発生させるマジックによってより遠くに飛ばすだとか、むしろ、敵が投げてきたやつを弾き返すだとか、もっと単純に高いところから叩き落すだとかフレキシブルかつ創造的な戦術もやり放題である。 何より油断ならぬのが、蘇生魔法があるがために、敵をバッタバッタと殺害して「やべえ、俺強ぇんじゃね? 最強じゃね?」と悦に入っていると、最後の1人になった敵がフラフラとやってきて死体を蘇生させ、その元死体が隣の死体を蘇生させ、その元死体に蘇生させてもらった元死体がそのまた隣の死体を蘇生させて、あっという間に1対3になって一方的に虐殺されるという実にドンデン返しな展開が起こりえるということであり、全くもって盛者必衰である。 そうされぬためには、死体をさらに攻撃して死体を完全に損壊してしまう必要があるわけであるが、この死体がまた、生前より頑丈なんじゃねえかというぐらい撃ち込まぬと損壊できぬ恐るべき仕組みであり、調子に乗って死体損壊をしておると、助けにやってきた敵にフルボッコにされたりという残念極まる有様になりがちだ。 銃では弾も勿体無いので、死体損壊用に日本刀を持ち歩くことにしておくと、背後からの不意打ちにも使えて便利である。 このようなフリーダムなゲームシステムを実現したマイクロソフトは評価に値する仕事をしたと言ってよいが、一応、欠点も挙げておく。 まず、顔の自由度が低いというか、よくあるエディット機能が全くない。 グラフィックの方も、充分に水準は満たしているのだが、既にギャボー(GoW、ギアーズオブウォー)を経験した360ユーザーにとっては、若干物足りぬレベルである。 年齢制限を考慮したためか、死体損壊は、単に死体が消えてしまうだけである。 ストーリーモードを完全に切り捨てているため、キャラに個性がなく、当然ながらセリフもない。日本の360界隈では、キャラの濃いゲームが好まれる傾向があり、これでは、ニコ動にセリフを編集した動画を上げたりすることができぬため、ゲームとしての人気を考えた場合、いささか不利であろう。 そういったような按配で、なかなかの良品であり、銃器、日本刀、魔法、サイバーが全部まとめて好きで好きでたまらぬという伝奇病患者などには、大変おすすめである。なまじストーリーが無い分、脳内設定し放題であるしな。 なお、製品版は6/21発売であるが、PCの英語版は既に入手可能であるから待ちきれぬ場合は、そっちに手を出すのもよいかもしれぬ。 SPQEにより承認 書記:総統
by soutou_d
| 2007-06-14 17:13
| ゲーム
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